PR

【中高生必読】「どうせ無理」が勉強を止める? メンタルブロック攻略法

勉強ができるようになりたいのに、「どうせ無理」と思っていませんか?
これまで私は「自分はバカだから勉強してもむだ。」とコンプレックスを持ってしまっている生徒さんに出会いました。

「どうせ無理」というような「心のブレーキ」には、過去の失敗や不安、周囲との比較などが関係していることがあります。
この記事では、メンタルブロックとは何か、勉強にどのような影響を与えるのかを心理学の研究とともに解説し、今日からできる具体的な対策を紹介します。

  1. 「どうせ無理」と思ってしまうことはありませんか?
    1. 勉強を始めたいのに、なかなか始められない
    2. 「できない」と「できないと思っている」は同じではありません
    3. 「心のブレーキ」が勉強を止めることがあります
    4. この記事では「どうせ無理」をどう考えるのか
  2. メンタルブロックとは何か
    1. メンタルブロックという言葉の意味
    2. メンタルブロックは「できないこと」そのものではありません
    3. 「自分には無理」という思い込み
    4. 「頭が真っ白になる」のもメンタルブロック?
    5. 心理学ではどのように研究されているのか
  3. なぜ「どうせ無理」と思ってしまうのか
    1. 過去の失敗が「自分はできない」を作る
    2. 「失敗したくない」という気持ちが強くなる
    3. 人と比べることで、自信を失ってしまう
    4. 「完璧にやらなければ」と考えてしまう
    5. 「自分はこういう人間だ」と決めつけてしまう
    6. 「自分ならできそう」という感覚も関係する
    7. 「どうせ無理」は、いくつかの原因が重なって生まれる
  4. メンタルブロックは勉強にどう影響するのか
    1. 「どうせ無理」と思うと、挑戦する前にあきらめてしまう
    2. 勉強を避けると、そのときは少し楽になる
    3. 「避ける→練習できない→さらに苦手になる」という循環
    4. 「できない」ではなく「どこができない?」と考える
    5. 小さな成功が、次の行動につながることがある
    6. 「頭が真っ白になる」場合とは少し違います
    7. 目指したいのは「自信満々」になることではありません
  5. 心理学の研究から考える「心のブレーキ」
    1. 「自分ならできそう」という感覚――自己効力感
    2. 「できた」という経験が自信につながる
    3. 失敗への不安が「避ける」という行動につながる
    4. 「できない」と思うことと、実際にできないことを分けて考える
    5. 完璧にできないと「失敗」だと思ってしまう
    6. 「考え方」だけで勉強がうまくいくわけではありません
    7. 心理学の研究から分かる「心のブレーキ」の正体
  6. 勉強のメンタルブロックを乗り越える5つの方法
    1. 「本当に無理?」と問い直す
    2. 目標を小さくする
    3. 「できない」を「まだできない」に変えてみる
    4. 間違いを「失敗」ではなく「情報」として使う
    5. 小さな「できた」を記録する
    6. 5つの方法を1つの流れにしてみる
    7. 「自信を持つ」より「行動できる状態」を作る
  7. こんなときはどうする?:ケース別対処法
    1. テストで悪い点を取ったとき
    2. 難しい問題を見た瞬間に「無理」と思ったとき
    3. 勉強を始めようとしても、やる気が出ないとき
    4. 友達の成績を見て落ち込んだとき
    5. テスト前になると「落ちたらどうしよう」と不安になるとき
    6. 間違えるのが怖くて質問できないとき
    7. 「どうせ無理」と思ったときの合言葉
  8. 今日からできるメンタルブロック対策
    1. 「できない」を具体的にする
    2. 最初の一歩を小さくする
    3. 「できたこと」を記録する
    4. 失敗した日は「原因」を1つだけ考える
    5. 「自信がついてから」ではなく、まずやってみる
    6. 今日やることを1つ決めてみる

「どうせ無理」と思ってしまうことはありませんか?

勉強を始めたいのに、なかなか始められない

勉強を始めたいのに、なかなか始められない

「今日は数学を勉強しよう」と思って机に向かったのに、問題集を開いたところで手が止まってしまう。そんな経験はありませんか。

例えば、数学のテストで思ったような点数が取れなかったとします。次のテストに向けて勉強しようと思っても、「前もできなかったから、今回も無理だろう」と考えてしまうことがあります。

「数学は苦手だから、やっても意味がない」

「英語は何回勉強しても覚えられない」

「自分は頭がよくないから、勉強しても成績は上がらない」

「難しい問題に挑戦しても、どうせ間違える」

このように考えていると、勉強を始める前から気持ちが重くなってしまいます。

そして、問題集を開く代わりにスマートフォンを見たり、部屋の片付けを始めたり、「今日は疲れているから明日にしよう」と先延ばししたりすることもあります。

もちろん、勉強したくない日があること自体は珍しいことではありません。

しかし、「どうせやっても無理」と思うことが何度も続くと、勉強に取り組む機会そのものが減ってしまう可能性があります。

「できない」と「できないと思っている」は同じではありません

ここで、1つ大切なことがあります。

「今はできないこと」と「自分にはできないと思っていること」は、同じではありません。

たとえば、数学の文章問題が解けなかったとします。

「この問題は今の自分には難しい」

というのは、現在の自分の状態についての判断です。

一方、

「自分は数学が苦手だから、こういう問題はどうせ解けない」

と考えると、「今回の問題が難しかった」という事実から、「自分には数学ができない」という大きな結論を出していることになります。

英語でも同じです。

「この長文は知らない単語が多くて読めなかった」

ということと、

「自分は英語が苦手だから、長文は絶対に読めない」

ということは違います。

理科で一度計算問題を間違えたからといって、「自分は理科が苦手」と決まるわけではありません。

社会の暗記が思うように進まないからといって、「自分は記憶力が悪い」と決めつける必要もありません。

できなかった問題には、知識が足りなかった、問題の読み方が分からなかった、計算を間違えたなど、さまざまな理由があります。

「今はできないこと」と「自分にはできないと思っていること」は、同じではありません

「心のブレーキ」が勉強を止めることがあります

「どうせ無理」という考えが強くなると、実際に挑戦する前から行動を止めてしまうことがあります。

例えば、次のような場面です。

数学の宿題を見て、「難しそうだから後でやろう」と先延ばしする。

英単語のテストで悪い点を取って、「自分は英語が苦手だから、勉強しても無駄だ」と考える。

模試で思ったより点数が低く、「志望校には絶対に合格できない」と決めつけてしまう。

授業中に先生から問題を出されても、「間違えたら恥ずかしい」と考えて、答えることを避ける。

こうしたときに働いている「心のブレーキ」を説明する言葉の1つが、「メンタルブロック」です。

「心のブレーキ」が勉強を止めることがあります

ただし、「メンタルブロック」は医学や心理学における1つの正式な診断名ではありません。日常的な表現として使われることが多く、心理学では、自己効力感、不安、回避行動など、関連するさまざまな現象として研究されています。

この記事では「どうせ無理」をどう考えるのか

この記事では、メンタルブロックを「心が弱いから起こるもの」とは考えません。

過去の失敗、失敗への不安、人との比較、完璧にやろうとする気持ちなど、さまざまなことが関係して、「自分には無理」とメンタルブロックが生じるものと考えます。

メンタルブロックが生じたとき「どうせ無理」と思ったことを責める必要はありません。

大切なのは、

「なぜ自分はそう思ったのだろう?」

「本当に全部できないのだろうか?」

「今の自分にできることは何だろう?」

と考えてみることです。

ブレーキを外せば、心はもっと軽く、前に進める。

この章から先では、メンタルブロックとはどのようなものなのか、なぜ生じるのか、勉強にどのような影響を与えるのかを心理学の研究とも関連づけながら見ていきます。

そして最後には、「どうせ無理」と思ったときでも、勉強を少しずつ前に進めるための具体的な方法を考えていきます。

メンタルブロックとは何か

メンタルブロックという言葉の意味

「メンタルブロック」という言葉を聞くと、どのような状態を思い浮かべるでしょうか。

一般的には、「何かをしようとしているのに、心理的な抵抗や思い込みなどによって、行動や考えが止まってしまう状態」を表す言葉として使われます。

例えば、次のような経験です。

「数学の問題を解かなければいけないのに、『自分には無理だ』と思って手をつけられない」

「英語のスピーチに挑戦したいのに、『失敗したら恥ずかしい』と考えてしまう」

「テストで悪い点を取ったあと、『自分は勉強しても成績が上がらない』と思ってしまう」

「以前うまくできなかったので、同じことにもう一度挑戦する気になれない」

このようなとき、「心にブレーキがかかっている」と考えると、メンタルブロックのイメージをつかみやすくなります。

メンタルブロックとは「心のブレーキ」

ただし、メンタルブロックという言葉には、使われる場面によって少し違った意味があります。そのため、心理学の専門用語として一つの意味に決まっている言葉だと考えないほうがよいでしょう。

メンタルブロックは「できないこと」そのものではありません

メンタルブロックを考えるときに重要なのは、「実際にできないこと」と「できないと思ってしまうこと」を区別することです。

例えば、数学の2次関数をまだ十分に理解していない生徒がいるとします。

「今は2次関数の問題を一人では解けない」

というのは、現在の学習状況についての判断です。

一方で、

「自分は数学が苦手だから、2次関数は勉強しても絶対に分からない」

と考えると、今の状態だけでなく、これから先の可能性まで決めつけてしまっています。

英語でも同じです。

「この英作文では、文法の使い方が分からなかった」

という問題と、

「自分は英語が苦手だから、英作文はできない」

という考えは同じではありません。

前者なら、分からなかった文法を確認して練習することができます。しかし後者のように考えてしまうと、練習する前から「無理だ」と判断して、取り組むこと自体を避けてしまう可能性があります。

「できない事実」と「できないという思い込み」は違う

つまり、この記事ではメンタルブロックを、単に「能力が不足している状態」ではなく、心理的な抵抗や思い込みなどによって、挑戦や行動にブレーキがかかっている状態として考えます。

「自分には無理」という思い込み

メンタルブロックを理解するうえで、特に注目したいのが「自分には無理」という考えです。

例えば、次のような言葉です。

「自分は頭が悪いから、難関校には行けない」

「数学は苦手だから、何をやっても無駄だ」

「人前で話すのが苦手だから、発表はできない」

「一度失敗したから、またやっても失敗する」

こうした考えは、過去の経験から生まれることがあります。

たとえば、数学のテストで30点を取ったとします。その経験から、

「今回は勉強が足りなかった」

と考えることもできますし、

「自分は数学ができない人間だ」

と考えることもできます。

後者の考えが強くなると、次のテストに向けて勉強するときにも、「どうせ無理」という気持ちが出てくるかもしれません。

ただし、「どうせ無理」と思ったからといって、必ずメンタルブロックが生じているとは限りません。疲れていて勉強できない場合や、実際に準備が不足している場合など、別の理由も考えられます。

そのため、「どうせ無理」という言葉だけで、自分の状態を決めつけないことも大切です。

注意:「どうせ無理」のすべてがブロックではない

「頭が真っ白になる」のもメンタルブロック?

「メンタルブロック」という言葉について考えるとき、もう1つ注意したいのが、「頭が真っ白になる」という状態です。

例えば、テスト中に突然問題が分からなくなり、

「さっきまで覚えていたのに、何も思い出せない」

という経験をすることがあります。

また、発表の前には話す内容を覚えていたのに、教室の前に立った途端、何を話せばよいのか分からなくなることもあります。

このような状態には、緊張や不安などが関係している可能性があります。

一方、この記事で中心的に扱うメンタルブロックは、

「どうせ自分には無理だ」

「やっても失敗するだろう」

と考えることで、勉強や挑戦を始めたり続けたりすることが難しくなる状態です。

したがって、「頭が真っ白になること」と「どうせ無理と思って行動できなくなること」は、関連する場合はあっても、同じ現象だと決めつけることはできません。

心理学ではどのように研究されているのか

「メンタルブロック」という言葉そのものを1つの心理学的な概念として扱いません。心理学では、似た現象をさまざまな角度から研究しています。

例えば、「自分ならこの課題に取り組めそうだ」という感覚は、心理学で「自己効力感」と呼ばれています。

また、失敗や評価への不安、難しい課題を避ける「回避行動」、自分自身についての考え方、完璧にできなければならないと考える傾向なども、勉強への取り組み方と関係する重要なテーマです。

つまり、メンタルブロックを理解するには、

「心が弱いから」

「やる気がないから」

と単純に考えるのではなく、

「自分についてどのように考えているのか」

「失敗をどのように受け止めているのか」

「不安を感じたときにどのような行動をしているのか」

といった点から考えることが大切です。

心のブレーキは、仕組みを知ればコントロールできる

次の章では、なぜ「自分には無理」「どうせやってもダメ」と考えてしまうのか、その原因や仕組みについて詳しく見ていきます。

なぜ「どうせ無理」と思ってしまうのか

「どうせ無理」「自分にはできない」と思ってしまうのは、単に意志が弱いからではありません。これまでの経験や失敗への不安、自分自身についての考え方など、さまざまなことが関係しています。

ここでは、勉強を例にしながら、「どうせ無理」という気持ちが生まれる主なきっかけを見ていきましょう。

過去の失敗が「自分はできない」を作る

「どうせ無理」と思う大きなきっかけの1つが、過去の失敗です。

例えば、数学のテストで30点を取ったとします。

最初は、

「今回は勉強時間が足りなかった」

「公式を覚えていなかった」

「計算ミスが多かった」

と考えていたとしても、同じような経験が何度か続くと、

「自分は数学が苦手だ」

と思うようになるかもしれません。

さらに、

「数学が苦手だから、勉強してもできるようにならない」

「どうせ次も悪い点になる」

と考えるようになると、問題集を開くこと自体が嫌になってしまうことがあります。

ここで注意したいのは、「一度失敗したこと」と「自分には能力がないこと」は同じではないということです。

例えば、英単語を20個覚えようとして5個しか覚えられなかったとしても、「自分は記憶力が悪い」と決める必要はありません。覚え方や復習の方法、勉強する時間帯などを見直すことで、結果が変わる可能性があります。

過去の失敗は、これからの結果を決めるものではありません。

しかし、失敗の経験をどのように受け止めるかによって、次の行動が変わることがあります。

罠1:過去の失敗が「能力がない」にすり替わる

「失敗したくない」という気持ちが強くなる

「どうせ無理」という考えの背景には、「失敗したくない」という気持ちが隠れていることもあります。

例えば、授業中に先生から、

「この問題が分かる人?」

と聞かれたとします。

答えが思い浮かんでいても、

「もし間違っていたら恥ずかしい」

「クラスのみんなに笑われたらどうしよう」

と考えて、手を挙げないことがあります。

勉強でも同じです。

「難しい問題に挑戦して間違えるくらいなら、最初からやらないほうがいい」

と考えてしまうことがあります。

このような場合、本人は「勉強したくない」のではなく、「失敗することを避けたい」という気持ちから行動を控えている可能性があります。

もちろん、失敗を避けたいと思うこと自体は自然なことです。問題は、失敗を避けることが続いて、挑戦する機会まで失われてしまうことです。

罠2:「傷つきたくない」が行動を止める

人と比べることで、自信を失ってしまう

中高生の時期には、周りの人と自分を比べる機会も多くあります。

「友達は90点なのに、自分は60点だった」

「同じ授業を受けているのに、自分だけ問題が解けない」

「兄や姉は勉強ができるのに、自分はできない」

このような比較を繰り返していると、

「自分は人より頭が悪い」

「自分は努力しても追いつけない」

と感じることがあります。

例えば、数学のテストで70点を取った生徒がいたとします。前回が50点だったなら、20点上がったことは大きな変化です。

ところが、友達が90点だったことだけを見て、

「自分はまだ全然ダメだ」

と考えてしまうと、自分の成長に気づきにくくなります。

他人との比較がすべて悪いわけではありません。

しかし、比較によって「自分はできない」という考えが強くなり、勉強する気持ちまで失ってしまうなら、比較の仕方を見直す必要があります。

罠3:比較の基準を間違えている

「完璧にやらなければ」と考えてしまう

「どうせ無理」という気持ちは、「完璧にやらなければならない」という考え方から生まれることもあります。

例えば、

「毎日2時間勉強しなければ意味がない」

「問題集は最初から最後まで全部やらなければならない」

「一度覚えたことは忘れてはいけない」

「テストでは90点以上取らなければならない」

と考えていると、目標が高くなりすぎて、勉強を始めること自体が難しくなることがあります。

本当は30分勉強できる日でも、

「今日は2時間できないから、やっても意味がない」

と考えてしまえば、まったく勉強しないという結果になるかもしれません。

高い目標を持つことそのものが悪いわけではありません。大切なのは、高い目標と「完璧でなければ意味がない」という考えを区別することです。

罠4:「0か100か」の完璧主義

「自分はこういう人間だ」と決めつけてしまう

もう1つ注意したいのが、自分についての決めつけです。

例えば、

「自分は数学が苦手な人間だ」

「自分は暗記ができない」

「自分は集中力がない」

「自分は努力が続かない」

というような考えです。

こうした言葉を何度も自分に言い聞かせていると、「今できないこと」が「自分の変わらない性質」のように感じられることがあります。

例えば、英語の長文が苦手な生徒が、

「自分は英語ができない」

と考えるのと、

「知らない単語が多くて、長文を読むのに時間がかかっている」

と考えるのでは、次の行動が変わります。

後者なら、「単語を増やす」「短い文章から読む」「分からない文の構造を確認する」など、具体的な対策を考えられます。

「自分はダメだ」と考えるのではなく、「何が難しいのか」を具体的にすることが重要です。

罠5:「自分はこういう人間だ」という決めつけ

「自分ならできそう」という感覚も関係する

心理学では、「自分ならこの課題をうまくできそうだ」という感覚を「自己効力感」と呼びます。

例えば、同じ数学の問題を見ても、

「少し難しいけれど、例題を見れば解けそう」

と思う人と、

「絶対に無理。自分には解けない」

と思う人では、その後の行動が違う可能性があります。

「できそう」と思える人は問題に取り組んでみるかもしれません。

一方、「無理」と強く思う人は、問題を避けてしまうかもしれません。

自己効力感は、生まれつき決まっているものとして考えるのではなく、実際の経験などによって変化し得るものとして研究されています。

そのため、「自分には無理」と感じているときでも、いきなり大きな目標に挑戦するのではなく、「これならできそう」という小さな課題から取り組むことには意味があります。

鍵となるのは「自己効力感」

「どうせ無理」は、いくつかの原因が重なって生まれる

ここまで見てきたように、「どうせ無理」という気持ちには、1つの原因だけでなく、さまざまな要因が関係することがあります。

例えば、

数学のテストで悪い点を取る

「自分は数学が苦手だ」と思う

次のテストでも失敗するのが怖くなる

友達の成績と比べる

「自分はもっとできない」と感じる

「どうせ勉強しても無理」と思う

問題を避ける

という流れです。

「どうせ無理」の連鎖(下向きのスパイラル)

このように考えると、「どうせ無理」という気持ちは、突然どこからか生まれてくるものではなく、過去の経験や不安、自分についての考え方、周囲との比較などが重なって生じることがあると分かります。

そして重要なのは、この流れは反対方向にも変えられる可能性があるということです。

「少しならできそう」

「まず1問だけやってみよう」

「どこで間違えたのか調べてみよう」

という小さな行動を積み重ねることで、「自分にもできた」という経験を増やしていくことができます

流れは、反対方向に変えられる(上向きのスパイラル)

次の章では、このような「どうせ無理」という思いが、実際の勉強行動にどのような影響を与えるのかを、さらに詳しく見ていきます。

メンタルブロックは勉強にどう影響するのか

「どうせ無理」「自分にはできない」と思ってしまうと、勉強そのものが難しくなることがあります。

ここでいう「難しくなる」とは、頭が悪くなったり、能力が突然なくなったりするという意味ではありません。「勉強に取り組む」「分からないところを調べる」「間違いを直す」といった行動が取りにくくなることです。

メンタルブロックとは、
「頭が悪くなる」ことではない。
「行動が取れなくなる」ことである。

この章では、その仕組みを具体的に見ていきましょう。

「どうせ無理」と思うと、挑戦する前にあきらめてしまう

例えば、数学の問題集を開いて、少し難しそうな問題が出てきたとします。

「これは難しそうだけど、まずやってみよう」

と考えれば、問題文を読んだり、教科書の例題を確認したりすることができます。

一方で、

「こんなの自分には絶対無理」

と最初から考えると、問題を解く前にあきらめてしまうかもしれません。

英語でも、

「この長文は難しそうだから、読んでも分からない」

と思えば、最初から読むことを避けるかもしれません。

このように、メンタルブロックの問題は、「問題が解けないこと」だけではありません。問題に取り組む前に、「やっても無駄だ」と判断してしまうこともあります。

勉強を避けると、そのときは少し楽になる

難しい勉強を前にすると、不安になったり、気が重くなったりすることがあります。

例えば、数学の宿題を始めようとして、

「この問題、全然分からないな」

と思ったとします。

そこでスマートフォンを見たり、動画を見たり、ゲームをしたりすると、数学の問題からいったん離れることができます。その瞬間は、嫌な気持ちが少し軽くなるかもしれません。

「今日は疲れているから、明日やろう」

と先延ばしする場合も同じです。

しかし、問題そのものが解決したわけではありません。翌日になると、宿題が残っているため、再び同じ不安を感じることになります。

このように、嫌なことを避ける行動は、その瞬間には気持ちを楽にしてくれます。そのため、同じような状況になると、また避けたくなります。

逃げた瞬間の「軽さ」が、明日の「重さ」を作る。

「避ける→練習できない→さらに苦手になる」という循環

勉強を避けることが続くと、次のような循環が生まれることがあります。

「数学は苦手だ」

「どうせ解けない」

「問題をやりたくない」

「勉強を避ける」

「練習する機会が減る」

「分からない問題が増える」

「やっぱり自分は数学が苦手だ」

という流れです。

「避ける」ことが、苦手を完成させるループ。

例えば、英単語を覚えるのが苦手な生徒が、「どうせ覚えられない」と考えて、単語の勉強を避けていたとします。

当然ながら、勉強する時間が減れば、覚えるための練習も少なくなります。その結果、テストで知らない単語が増え、「やっぱり自分は英語が苦手だ」と感じるかもしれません。

ここで大切なのは、「英語が苦手だから勉強できない」という一方向だけで考えないことです。 「苦手だと思う→避ける→練習する機会が減る→できない部分が残る」という関係も考える必要があります。

「できない」ではなく「どこができない?」と考える

では、この循環を変えるにはどうすればよいのでしょうか。

1つの方法は、「自分はできない」と大きく考えるのではなく、「何ができないのか」を具体的にすることです。

例えば、

「数学ができない」

ではなく、

「方程式の文章問題が苦手」

と考えてみます。

さらに、

「文章から式を作るところが分からない」

まで具体的にできれば、対策を考えやすくなります。

「自分」を否定するのではなく、「どこ」が難しいのかを特定する。

英語なら、

「英語が苦手」

ではなく、

「長文で知らない単語が多い」

「英文の構造が分からない」

「時間が足りなくなる」

などに分けてみます。

原因が違えば、必要な勉強も違います。

知らない単語が多いなら単語を確認する必要があります。

英文の構造が分からないなら、文法や文の構造を確認する必要があります。

時間が足りないなら、時間を測って読む練習が役立つかもしれません。

「自分はダメだ」という大きな問題にするのではなく、「どこが難しいのか」という具体的な問題に変えることがポイントです。

小さな成功が、次の行動につながることがある

また勉強の中で「できた」という経験を積み重ねることで、次の行動につながる場合があります。

例えば、数学の問題を一問解けたとします。

「たった1問」と思うかもしれません。

しかし、

「分からなかった問題を1問、自分で解けた」

という経験は、「自分には絶対無理」という考えを少し見直すきっかけになるかもしれません。

英単語でも、

「今日は10個覚えた」

理科でも、

「昨日分からなかった用語を説明できた」

という小さな変化があります。

「たった一問」が、ブロックを溶かす。

もちろん、一度成功しただけで苦手意識がなくなるとは限りません。それでも、「やってみたら少しできた」という経験を積み重ねることには意味があります。

心理学では、自分がある課題をうまくできそうだと感じることを「自己効力感」と呼びます。自己効力感は、実際の経験などによって変化し得るものとされています。

「頭が真っ白になる」場合とは少し違います

ここで、「メンタルブロックとは何か」で説明した「頭が真っ白になる」という状態との違いも確認しておきましょう。

例えば、テスト中に緊張して、覚えていた公式が急に思い出せなくなることがあります。

このような状態には、テストへの不安や緊張が関係している可能性があります。

一方、

「どうせ自分は数学ができない」

と思って、テスト前から数学の勉強を避けてしまうことは、別の問題です。

もちろん、両方が同時に起こることもあります。

「数学が苦手だと思う」

「勉強を避ける」

「準備が十分にできない」

「テストが不安になる」

「本番で緊張する」

というように、いくつかの要因が重なる場合も考えられます。

目指したいのは「自信満々」になることではありません

メンタルブロックへの対処というと、「自信を持とう」「絶対にできると思おう」と考える人もいるかもしれません。

しかし、いつでも自信を持つ必要はありません。

「難しいけれど、まず1問やってみよう」

「分からなかったら教科書を見よう」

「間違えても、どこで間違えたか確認しよう」

と考えられれば、それだけでも行動は変わります。

大切なのは、「絶対にできる」と思い込むことではなく、

できるかどうか分からないけれど、まず試してみる

という姿勢です。

「どうせ無理」という考えによって勉強を避ける循環から、「小さく取り組む→少し分かる→もう一度取り組む」という循環に変えていくことが、メンタルブロックを考えるうえで重要になります。

「どうせ無理」のループから、「まず試す」のループへ。

心理学の研究から考える「心のブレーキ」

ここまで、「どうせ無理」と思ってしまう理由や、その考えが勉強にどのような影響を与えるのかを見てきました。

では、こうした「心のブレーキ」について、心理学ではどのように考えられているのでしょうか。

「メンタルブロック」という言葉そのものは、心理学の1つの正式な診断名ではありません。

しかし心理学では、メンタルブロックと関係する「自分ならできそうだという感覚」「失敗への不安」「難しいことを避ける行動」などについて、さまざまな研究が行われています。

ここでは、特に勉強と関係の深い考え方を紹介します。

「自分ならできそう」という感覚――自己効力感

心理学には、「自己効力感(self-efficacy)」という考え方があります。これは、簡単にいうと、「自分ならできる」「きっとうまくいく」と自分の可能性や能力を信じられる感覚のことです。

例えば、数学の問題を見たとき、

「難しそうだけど、教科書の例題を見れば解けそう」

と思う人もいれば、

「こんな問題、自分には絶対に無理だ」

と思う人もいます。

同じ問題を前にしていても、自分ならできそうだと感じるかどうかによって、その後の取り組み方が変わる可能性があります。

同じ課題の前に立つ、2つの異なる心

自己効力感は、心理学者アルバート・バンデューラによって体系的に研究されました。

バンデューラは、自己効力感が、人がどのような行動を選ぶか、どのくらい努力するか、困難に直面したときにどの程度粘り強く取り組むかなどと関係すると説明しています。

例えば、英語の長文が苦手な生徒でも、

「全部読めるか分からないけれど、まず最初の段落だけ読んでみよう」

と思えれば、問題に取り組み始めることができます。

一方、

「自分は英語が苦手だから、やっても無駄だ」

と思えば、最初から問題を避ける可能性があります。

ここで注意したいのは、「自信を持てば必ず成績が上がる」という単純な話ではないことです。実際の学力や知識、勉強方法、練習量なども重要です。

「できた」という経験が自信につながる

では、自己効力感はどのように変化するのでしょうか。

バンデューラは、自己効力感に影響する重要な情報源の1つとして、実際に課題をやり遂げた経験を挙げています。

例えば、数学が苦手だと思っている生徒が、最初は簡単な問題から始めて、

「この問題は自分で解けた」

という経験をします。

次に、少し難しい問題に挑戦して、

「これも途中まではできた」

という経験をします。

このような経験を積み重ねることで、「自分にもできるかもしれない」という感覚が生まれることがあります。

英単語でも同じです。

「100個覚える」という目標は大きく感じても、

「今日は10個覚える」

なら取り組みやすいかもしれません。

そして10個覚えられたら、

「10個なら覚えられた」

という具体的な経験になります。

もちろん、小さな成功を一度経験しただけで苦手意識がなくなるとは限りません。しかし、「できなかった自分」という経験だけでなく、「できた自分」という経験も積み重ねていくことが大切です。

自信は「できた」という小さな経験から作られる

失敗への不安が「避ける」という行動につながる

勉強では、「できないこと」そのものより、「できないと分かるのが怖い」という気持ちが問題になることもあります。

例えば、数学の問題を解いて答え合わせをすると、自分がどれだけ間違えているのかが分かります。

そのため、

「間違いを見るのが嫌だから、答え合わせをしたくない」

と思うことがあります。

模試でも、

「結果を見るのが怖い」

といって、成績表をなかなか確認できないことがあります。

こうした「避ける」という行動には、嫌な感情をその場では減らせるという面があります。

例えば、難しい宿題をやめてスマートフォンを見ると、その瞬間は数学について考えなくて済みます。

しかし、宿題がなくなったわけではありません。

翌日になって、

「まだ宿題が終わっていない」

と気づけば、再び不安になるかもしれません。

このように、短期的には楽になる行動が、長期的には問題を残してしまうことがあります。

「できない」と思うことと、実際にできないことを分けて考える

また大切なのは、「自分がそう思っていること」と「実際の能力」を同じものとして扱わないことです。

例えば、

「自分は数学が苦手だ」

と思っている生徒が、実際にどこでつまずいているのかを調べてみると、計算そのものではなく、文章問題から式を作ることが苦手だった、ということがあります。

また、

「英語が全然できない」

と思っていても、単語は比較的覚えられていて、長文を読むときに時間が足りないことが主な問題かもしれません。

このように、「自分はできない」とまとめてしまうのではなく、

「何ができないのか」

「どこでつまずいているのか」

具体的に調べることが重要です。

「感情」と「事実」を切り離す認知フィルター

完璧にできないと「失敗」だと思ってしまう

心理学では、完璧主義と呼ばれる考え方についても研究されています。

例えば、

「テストは90点以上でなければ意味がない」

「一度間違えたらダメだ」

「毎日必ず2時間勉強しなければならない」

と考えていると、少しの失敗でも自分を厳しく評価してしまうことがあります。

例えば、昨日は2時間勉強できたのに、今日は30分しかできなかったとします。

「30分しかできなかった。自分はダメだ」

と考えることもできます。

しかし、

「今日は30分できた。では、明日はどうするか」

と考えることもできます。

高い目標を持つこと自体が問題なのではありません。問題になるのは、目標を達成できなかったときに、自分自身の価値まで否定してしまうことです。

「考え方」だけで勉強がうまくいくわけではありません

ここまで読むと、「考え方を変えれば、勉強ができるようになる」と思うかもしれません。

しかし、これは正確ではありません。

「自分ならできる」と思っているだけで、知識や技能が身につくわけではありません。

例えば、数学が苦手な生徒が、

「自分は数学が得意だ」

と考えるだけでは、公式の使い方を身につけたり、問題を解けるようになったりするわけではありません。

必要なのは、

「どこが分からないのかを確認する」

「必要な知識を覚える」

「実際に問題を解く」

「間違いを確認する」

「もう一度取り組む」

という具体的な学習です。

考え方は、その学習に取り組むための一つの要素として考えるとよいでしょう。

心理学の研究から分かる「心のブレーキ」の正体

ここまでを整理すると、「心のブレーキ」は単純に「気持ちが弱いから起こる」と考えるものではありません。

過去の経験から「自分には無理」と考えることがあります。

失敗への不安から、難しい課題を避けることがあります。

「自分ならできそうだ」という感覚が低いと、挑戦しにくくなることがあります。

完璧にできないことを強く恐れると、勉強そのものを始めにくくなることもあります。

そして、勉強を避けることで練習する機会が減り、「やっぱり自分にはできない」という考えが強くなることもあります。

だからこそ、「どうせ無理」と思ったときには、その考えを無理に消そうとするのではなく、

「なぜそう思ったのだろう?」

「本当に全部できないのだろうか?」

「今の自分にできる一番小さなことは何だろう?」

と考えてみることが大切です。

不安のループから、成長の螺旋へ

次の章では、ここまでの内容を実際の勉強に生かし、「どうせ無理」と思ってしまったときに、どのように行動を変えていけばよいのかを具体的に見ていきます。

勉強のメンタルブロックを乗り越える5つの方法

「どうせ無理」「自分にはできない」と思ってしまったとき、どうすればよいのでしょうか。

大切なのは、「ネガティブなことを考えないようにする」ことではありません。また、「自信を持てば大丈夫」と考えることでもありません。

むしろ、「どうせ無理」と思ったとしても、そこから少しずつ行動できるようにすることが重要です。

ここでは、勉強で実践しやすい5つの方法を紹介します。

「本当に無理?」と問い直す

最初の方法は、「自分には無理」という考えを、そのまま事実だと決めつけないことです。

例えば、数学のテストで悪い点を取ったとします。

「自分は数学ができない」

と思ったとき、

「本当に数学の全部ができないのだろうか?」

と考えてみます。

すると、

「計算問題はある程度できるけれど、文章問題が苦手」

「1次方程式はできるけれど、文章から式を作るのが難しい」

など、具体的な問題が見えてくることがあります。

英語でも、

「英語が苦手」

と考えるのではなく、

「単語は覚えているけれど、長文を読むのに時間がかかる」

「文法の問題でよく間違える」

「英作文になると何を書けばよいか分からない」

などと分けて考えてみます。

このようにすると、「自分はダメだ」という大きな問題が、「ここを練習すればよい」という具体的な課題に変わります。

「事実」と「考え」を分けてみる

例えば、

「数学のテストで45点だった」

というのは事実です。

一方、

「だから自分は数学ができない」

というのは、その事実についての解釈です。

45点だったという結果を変えることはできません。しかし、「なぜ45点だったのか」を調べることはできます。

「公式を覚えていなかった」

「計算ミスが多かった」

「時間が足りなかった」

「問題の意味を理解できなかった」

など、原因によって対策は変わります。

「自分はできない」とまとめてしまう前に、「何が問題なのか」を具体的にすることが、最初の一歩です。

1.「本当に無理?」と問い直す

目標を小さくする

「勉強しなければ」と思っても、やることが大きすぎると、始めること自体が難しくなる場合があります。

例えば、

「今日は数学を2時間勉強する」

「英単語を100個覚える」

「問題集を20ページ進める」

という目標を立てたとします。

目標としては悪くありません。しかし、勉強への抵抗感が強いときには、「これだけやらなければならない」と考えるだけで負担に感じることがあります。

そんなときは、目標を小さくしてみます。

「まず数学の問題を1問解く」

「英単語を10個確認する」

「問題集を1ページだけやる」

という具合です。

「1問だけで勉強したことになるの?」と思うかもしれません。

もちろん、1問だけで十分な学習が終わるとは限りません。

しかし、ここでの目的は、最初から大量に勉強することではなく、「勉強を始める」という行動につなげることです。

始めてみると、

「もう少しやってみよう」

と思えることもあります。

「5分だけ」という方法

例えば、数学の勉強をする気になれないとします。

「1時間勉強しよう」

と考える代わりに、

「5分だけ問題集を開いてみよう」

と決めます。

5分後に続けてもよいですし、そこでいったん終わってもかまいません。

大切なのは、「完璧に勉強する」ことを最初の条件にしないことです。

2. 目標を極端に小さくする

「できない」を「まだできない」に変えてみる

「自分にはできない」と考えると、現在の状態を将来まで固定してしまいやすくなります。

例えば、

「2次関数はできない」

という言葉を、

「今は2次関数がまだよく分からない」

と言い換えてみます。

「英作文はできない」なら、

「今は英作文の作り方がまだよく分からない」

と考えます。

「まだ」という言葉を加えるだけで、現在の状態と将来の可能性を分けて考えやすくなります。

ただし、これは単なる言葉遊びではありません。

「まだできない」と考えたからといって、自然にできるようになるわけではありません。

実際にできるようになるためには、教科書を確認したり、例題を解いたり、先生に質問したり、繰り返し練習したりする必要があります。

つまり、

「まだできない」

「何を勉強すればよい?」

「まず1つやってみる」

というように、次の行動につなげることが重要です。

「才能がない」と決めつけない

例えば、

「自分は数学の才能がない」

と考えてしまうことがあります。

しかし、数学のある分野が苦手だからといって、それだけで「数学の才能がない」と判断することはできません。

必要な知識が不足しているのかもしれません。問題の解き方を知らないのかもしれません。練習量が足りないのかもしれません。

「自分には才能がない」と考える前に、「具体的に何が分からないのか」を調べてみましょう。

3.「できない」に「まだ」を付け足す

間違いを「失敗」ではなく「情報」として使う

メンタルブロックが強くなると、「間違えること」が怖くなる場合があります。

しかし、勉強では間違いから得られる情報がたくさんあります。

例えば、数学の問題を5問解いて、3問間違えたとします。

「3問も間違えた。自分は数学ができない」

と考えるのではなく、

「どこで間違えたのだろう?」

と確認します。

すると、

「公式を間違えて覚えていた」

「計算途中で符号を間違えた」

「問題文の条件を読み落としていた」

など、原因が見つかるかもしれません。

原因が分かれば、次にやるべきことも見えてきます。

公式の確認が必要なら復習する。計算ミスなら途中式を丁寧に書く。問題文の読み落としなら、条件に線を引く。

このように、間違いを「自分の能力を評価する材料」だけではなく、「次の勉強に役立つ情報」として利用することができます。

テスト直しを「点数を見るだけ」で終わらせない

テストが返ってきたら、点数だけを見るのではなく、間違いを分類してみましょう。

例えば、

「知らなかった」

「覚えていたけれど思い出せなかった」

「解き方が分からなかった」

「計算を間違えた」

「問題を読み間違えた」

などです。

4. 間違いを「失敗」ではなく「情報」として使う

こうしてみると、「自分は何もできない」のではなく、「ここを直せばよい」という具体的な課題が見えてきます。

小さな「できた」を記録する

最後の方法は、自分ができたことを記録することです。

例えば、1日の勉強の終わりに、

「英単語を10個覚えた」

「数学を3問解いた」

「分からなかった問題を先生に質問した」

「昨日間違えた問題をもう一度解いた」

などを書いてみます。

これは、「毎日必ず大きな成果を出そう」という意味ではありません。

むしろ、小さな変化にも気づけるようにすることが目的です。

例えば、以前は全く分からなかった数学の問題について、

「今日は解説を読めば意味が分かった」

という変化があったとします。

まだ1人で解けなくても、「分からなかった」から「解説を読めば分かる」へ進んでいます。

その次は、

「例題を見ながらなら解ける」

さらに、

「1人でも解ける」

という段階を目指せるかもしれません。

勉強では、このような小さな変化を積み重ねていくことが大切です。

5.小さな「できた」を記録する

5つの方法を1つの流れにしてみる

ここまで紹介した方法は、それぞれ別々に使う必要はありません。1つの勉強場面の中で組み合わせることができます。

例えば、数学のテストで悪い点を取って、「次も無理だ」と思ったとします。

まず、

「本当に数学全部が無理なの?」

と考えます。

次に、

「文章問題の、式を作るところが苦手なんだ」

と具体化します。

そして、

「今日は文章問題を1問だけやってみよう」

と目標を小さくします。

問題を間違えたら、

「なぜ間違えたのだろう?」

と確認します。

最後に、

「今日は1問解いて、間違いの原因も分かった」

と記録します。

これなら、「自分は数学ができない」という大きな問題を、そのまま抱え続ける必要がありません。

5つのステップを「ひとつの流れ」にする

「自信を持つ」より「行動できる状態」を作る

メンタルブロックを乗り越えるとき、「自信満々になること」を目標にする必要はありません。

「自分なら絶対にできる」と思えなくても、

「難しいけれど、1問だけやってみよう」

「分からなかったら教科書を見よう」

「間違えたら、原因を調べよう」

と考えて行動できれば十分です。

「どうせ無理」という気持ちが完全になくなるのを待ってから勉強を始めるのではなく、そう思っている状態でもできる小さな行動を見つけることが大切です。

「自信を持つ」より「行動できる状態」を作る

メンタルブロックへの対処は、一度で大きく変えるものではありません。

「考え方を具体的にする」

「課題を小さくする」

「まず行動する」

「間違いから学ぶ」

「できたことを確認する」

という流れを繰り返しながら、自分に合った勉強の進め方を見つけていきましょう。

こんなときはどうする?:ケース別対処法

「どうせ無理」と思ってしまう場面は、人によって違います。

テストの点数を見たとき、難しい問題に出会ったとき、周りの人と比べたときなど、さまざまな場面で心のブレーキがかかることがあります。

ここでは、中高生によくある勉強の場面を例にして、どのように考え、どんな行動をすればよいのかを見ていきましょう。

テストで悪い点を取ったとき

「数学で45点だった。自分は数学が苦手だから、次も無理だ」

このように考えてしまうことがあります。

しかし、まず確認したいのは「なぜ45点だったのか」です。

計算ミスが多かったのか、公式を覚えていなかったのか、時間が足りなかったのか、問題の意味が分からなかったのかによって、対策は変わります。

「数学ができない」と考える代わりに、

「今回は計算問題で3問間違えた」

「文章問題の式の作り方が分からなかった」

など、具体的にしてみましょう。

点数だけで自分の能力全体を判断しないことが大切です。

点数だけで「すべて」を判断しない

難しい問題を見た瞬間に「無理」と思ったとき

問題集を開いたら、見たことのない問題が出てきました。

「こんなの絶対に解けない」

と思って、すぐに答えを見ることもあるでしょう。

そんなときは、いきなり最後まで解こうとする必要はありません。

まず問題文を読んで、「何を求める問題なのか」を確認します。

次に、教科書や授業のノートに似た問題がないか探します。

それでも分からなければ、解説を読んで構いません。

重要なのは、「解けない=自分には能力がない」と考えないことです。

「今の自分には解き方が分からない」と考えれば、次に取る行動を決めやすくなります。

難しい問題=「能力がない」ではない

勉強を始めようとしても、やる気が出ないとき

「今日は3時間勉強する」と決めたのに、机に向かってもなかなか始められないことがあります。

この場合、「やる気が出るまで待つ」という方法だけに頼ると、なかなか始められないことがあります。

そこで、

「数学の問題を1問だけ解く」

「英単語を5個だけ確認する」

「教科書を1ページだけ読む」

など、最初の行動を小さくしてみます。

「3時間勉強する」という大きな目標ではなく、「まず何をするか」を決めるのです。

始めた後に続けられそうなら、そのまま続けます。

やる気は「待つ」より「小さく始める」

友達の成績を見て落ち込んだとき

友達が90点、自分が65点だったとします。

「自分は全然できない」

と感じるかもしれません。

しかし、友達の点数だけでは、自分がどのくらい成長したのかは分かりません。

例えば、自分が前回45点で、今回は65点だったなら、20点上がっています。

そこで、

「友達より何点低いか」

だけではなく、

「自分は前回と比べてどうだったか」

も確認してみましょう。

友達の90点より、自分の+20点

もちろん、他の人の勉強方法を参考にすることは役立ちます。ただし、比較によって「自分は無理だ」と決めつけてしまうなら、比較の仕方を変えてみることが大切です。

テスト前になると「落ちたらどうしよう」と不安になるとき

テストや入試が近づくと、

「もし悪い点だったらどうしよう」

「志望校に合格できなかったらどうしよう」

と不安になることがあります。

未来の結果を完全に予測することはできません。

だからこそ、「結果を考え続けること」より、「今できる準備」に目を向けます。

例えば、

「今日は苦手な数学を30分復習する」

「英単語を20個確認する」

「過去に間違えた問題を3問解き直す」

などです。

不安をゼロにしようとするのではなく、不安があってもできる行動を1つ決めてみましょう。

不安なときほど「今できる準備」を見る

間違えるのが怖くて質問できないとき

「こんなことも分からないと思われたら嫌だ」

と考えて、先生に質問できないことがあります。

そんなときは、

「全部分かりません」

ではなく、

「この式から次の式になる理由が分かりません」

「この英語の文で、なぜこの形になるのか分かりません」

のように、分からない部分を1つに絞って質問してみましょう。

分からないことを具体的にすると、質問もしやすくなります。

質問は「ひとつ」に絞り込む

「どうせ無理」と思ったときの合言葉

ここまでのケースに共通しているのは、「どうせ無理」という考えを無理やり消そうとしないことです。

「どうせ無理」と思ったら、

「何が無理なのだろう?」

「本当に全部無理なのだろうか?」

「今できる一番小さなことは何だろう?」

と考えてみます。

例えば、

「数学が無理」
ではなく、
「文章問題の式作りが難しい」

「勉強が無理」
ではなく、
「何から始めればよいか分からない」

「入試が無理」
ではなく、
「今は苦手分野の準備が十分ではない」

というように、問題を具体的にしていきます。

「どうせ無理」と思ったときの合言葉

「どうせ無理」という一言で終わらせず、「では、何が難しいのか」「次に何ができるのか」と考えることが、心のブレーキを小さくする第一歩です。

今日からできるメンタルブロック対策

ここまで、メンタルブロックが生じる理由や、勉強への影響、対処法について見てきました。

最後に、特別な準備をしなくても、今日から始められる方法を紹介します。

「できない」を具体的にする

「数学ができない」「英語が苦手」と感じたら、まず「何ができないのか」を具体的にしてみましょう。

例えば、

「数学が苦手」
→「文章問題で式を作るのが難しい」

「英語が苦手」
→「長文で知らない単語が多い」

「勉強が続かない」
→「何を勉強するか決めないまま机に向かっている」

というように分けます。

1.「できない」を具体的にする

問題が具体的になれば、次にすることも決めやすくなります。

最初の一歩を小さくする

「今日は3時間勉強する」と考えると、始める前から負担に感じることがあります。

そんなときは、

「数学を1問解く」

「英単語を10個確認する」

「教科書を1ページ読む」

など、最初の目標を小さくしてみましょう。

2.最初の一歩を極限まで小さくする

大切なのは、最初から完璧に勉強することではなく、まず行動を始めることです。

「できたこと」を記録する

勉強が終わったら、できなかったことではなく、できたことも確認してみましょう。

「数学を20分勉強した」

「英単語を10個覚えた」

「分からない問題を先生に質問した」

「昨日間違えた問題を解き直した」

など、具体的に記録します。

大きな成果である必要はありません。

「昨日は解けなかった問題を、今日は解説を見ながら理解できた」という変化も、学習の進歩です。

3.「できたこと」を記録する

失敗した日は「原因」を1つだけ考える

勉強できなかった日や、テストで悪い点を取った日に、

「自分はダメだ」

と考えるのではなく、

「何が原因だったのだろう?」

と考えてみましょう。

例えば、

「スマートフォンを長く見ていた」

「問題の解き方が分からなかった」

「覚えたつもりになっていて、復習が足りなかった」

などです。

原因が分かれば、次の対策を考えられます。

4.失敗は「原因」を1つだけ探す

「自分がダメ」という結論で終わらせず、「次は何を変えるか」につなげることが大切です。

「自信がついてから」ではなく、まずやってみる

メンタルブロックへの対処で大切なのは、「自信を持たなければ行動できない」と考えないことです。

「できるかどうか分からないけれど、とりあえず1問やってみよう」

「全部覚えられなくても、今日は10個確認しよう」

という考え方でも構いません。

実際にやってみることで、「思ったよりできた」「ここは分からなかった」という新しい情報が得られます。

5.「自信がついてから」を捨てる

「どうせ無理」と思ったときこそ、考えを変えることだけに集中するのではなく、できるだけ小さな行動に変えてみましょう。

今日やることを1つ決めてみる

この記事を読んだだけで、「明日から完璧に変わろう」とする必要はありません。

今日できることを1つだけ決めてみましょう。

例えば、

「苦手な数学を1問解く」

「英単語を10個復習する」

「分からない問題を1つ質問する」

「テストの間違いを1つ見直す」

などです。

6.「今日やること」を1つだけ決める

メンタルブロックを乗り越えることは、「もう二度と『どうせ無理』と思わなくなること」ではありません。

「どうせ無理」と思ってしまったときにも、「では、今の自分に何ができるだろう?」と考え、次の小さな行動を選べるようになることが大切です。